何もしない

明け方から、雷と雨と風まで吹いて、まるで嵐のような朝を迎えた。こんなこともあるはずさ、日本は海に浮かぶ島なんだし、地球は宇宙に浮かんでいるんだから。

暑い雲が陽を遮る雨の日は、空気がひんやりして布団の中が異様に気持ちいい。今朝もまたその中に潜り込みたい衝動を必死に抑えて机に向かう。今日は一日こんな天気なのかな?

大分のある町で、公園改修の仕事に関わっている。地元人たちの意見を聞いてそれを形にする仕事、具体的な設計の一歩前のデザインをするというもの。

町の中にあるので、いつも多くの子どもが遊び、お母さんたちが木陰のベンチで休む、お年寄りがくつろぐ、今でもそうやって、町の人たちに愛されている公園だから、個人的には特に手を加える所はないような気さえしていた。それでもワークショップの回を重ねて、色んな意見を聞いていく中で、もっと素晴らしい公園のイメージが何となく見えてきた気がする。

大きく育っていて木陰を作ってくれている木は切らない、余計な物は作らない、トイレは明るくて掃除したくなるようなものにする、小さい子どもも安心して自然に遊べるような公園。

デザイナーとして何をデザインしたの?と聞かれると答えに困るけど、何もしない事も大事なデザインなんだろうと思う。

その意味で今回の仕事は、シンプル、スローなデザインが出来てるんじゃないかな?

かといって、本当に何もしないんじゃ生きていけないので、今日も、人に愛されて、人を癒せる、平和な気持ちになってもらえる、そんなデザインを目指して仕事します。

木陰の多い公園、ちょっと先になるけど、完成が楽しみです。

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