やっぱり梅雨入りしたらしい。寒かった冬の事はすっかり忘れてしまった気でいるけれど、確かに二月頃までは寒かったし、東北で地震が起きたとき、三月だって津波で取り残された人たちに雪が降り掛かっていた。
四月に入ってもまだまだ冷え込む夜はあって、あの頃のちょっとした温もりを愛おしむような感覚は、やっぱり秋になってまた葉が色づく頃にならないと感じれないのだろう。
しばらくは、しとしとと雨が降って、すっきりしない気候だけど、これも日本の大切な季節。草木は育ち生き物も成長する。人間だってこの季節に考える事も、感じる事もあるだろう。
過ぎた季節ばかりを惜しむんじゃなくて、先の季節ばかりを待ち焦がれるんじゃなくて、今を楽しむ
そう思えば、シャツが濡れて冷んやりしたり、ぬかるみに足を取られる事もそう悪い事ではないように思える。
何かを失ったような、少し切ないような「梅雨入り」も、そう悪い事ではない、と思う。