カシミヤ

昨日の事、郵便局から書類を送りました。普通郵便で3通。女性の局員さんが対応してくれて、切手の代金を払うと、「こちらで切手を貼って出しておきます。ありがとうございました。」と

まるっきり自分で切手を貼ってポストに投函するつもりでいた僕は、右手を出しかけていたのですが、ふいをつかれた格好に、右手で後頭部なんかかきながら、「ありがとう」と「よろしくお願いします」がごちゃ混ぜになって「あろしくがとまっしっしゅ〜」みたいな事をつぶやきながら、頭を下げて、しかも自分が発している言葉がおかしいやら恥ずかしいやら・・・逃げるように車に飛び乗りました。

で、思い出したのが学生時代、西武新宿線、花小金井駅のSEIYUに入っていた無印良品で見つけたカシミヤのセーター¥1,800。東京に出たばっかりの僕は(これ、肌触り最高!さすが無印、安くていいじゃん。)意気揚々とレジへ、千円札2枚とセーターを差し出しました。

店員さん、しばらく、千円冊2枚と僕の顔を見比べて、曰く「お客様、こちらの商品、1万8千円になっておりますが・・・」

僕は「あ、っそうですね。あ、っそうですよね。カ、カシミヤですもんね」店員さんと、後ろに並んでいたお客さんに笑顔を振りまきながらセーターの上においてあった千円札2枚を掴んで、競歩選手のように駅に向かいました。駅のホームから振り返ったSEIYUの白い建物のうらめしかったこと、店員さんが薄〜いくせに、やたらと肌触りが良くて、暖かそうなカシミヤのセーターをたたみ直して棚におきながら、田舎者の僕を思い出してプッと吹き出している様子を思い浮かべながら、早く電車来ねえかな!とつぶやいたものでした。

カシミヤのセーターなんて、あれ以来、っていうか生まれてこのかた着ようとも思わないもんね。男は黙って、綿。

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