草枕

外で車のラッピング作業を始めたとたんに大粒の雨が降り出した、しばし、東側の空を眺めて休憩。

この両三日、薄暗い部屋にこもって文字づくりに専念した。今まで殆ど体験した事が無かったけど、珍しく肩が凝った。

夏目漱石を聞きながら、ただ黙々と文字を作る日々もなかなか・・・ぶっ通して聴いても24時間以上かかる長編「我が輩は猫である」で、ニヤつき、時々吹き出す。同じく長ーい「こころ」、「門」では暗ーい気分になる、「三四郎」は恋の物語。

一番はやっぱり「草枕」。ほとんど1週おきに聴き直している、もはや暗記してしまいそうなくらい。

聴けば、心がゆったりと平和になる。

日常の雑多な煩いを離れて、田舎の温泉に旅する主人公の心境に少し近づけた思いで、晴れ晴れする、嬉しくなる。

やっぱり漱石は天才である。100年前の文章とはとても思えない、いや、むしろ100年後の日本人はあの頃の心の豊かさを取り戻しているべきだと思う。

季節、草花、雲、空、雨、歌・・・直接語らないからこそ伝わる情緒がある。

現代人は、少し語りすぎ

あ、雨がやんだ、つづきをしよう

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