風に舞う

忘れかけた頃にこの書体の注文がくる、今日は4文字。なんでこんな字を?と思うでしょう。

言葉にはイメージと言う物があって、特に漢字で表記する場合には書き方次第でそのイメージをもっと膨らませたり、別の物に変えたりする事も出来る。

注文して下さったお客さんが、その言葉にどんなイメージを持たせようとしているのかはっきりと知る事は出来ないけれど、想像しながら僕は文字を書く。

飲み物のパッケージかな?和菓子かな?雑誌の特集タイトルかな?全く想像が外れて「キャンセル」になる事も多いけど、楽しい仕事。

今日の注文、「草花木果」にはこの風に舞いそうな書体がよく似合うと思う。何度か廃盤にしようかという意見も出されたけど、守ってきた、好きだから。

あまり売れなくてもいいんだ。ノートに落書きした字を見ながら車の中で名前を決めた。些細な事をしっかり覚えている瞬間がある、空気感や匂いまで・・・同じようにこの字にしか伝えられない感覚があるはず、「千草」僕は好きなんだな。

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