耕す

週末、田んぼを耕した。小さくて四角くない棚田が折り重なるような田舎の田んぼで、いよいよ米作りのスタート。まずは小さいトラクターで「田おこし」眠っていた土を耕して目を覚まさせるという意味かな?トラクターに乗っての作業は、こう配の急なあぜ道を移動するときの怖さを除けば、のんきで楽ちんな作業。台を膝に乗せてハンドルを操作してもらいながらスイスイと耕し終えました。

キツいのはその後の「くろ打ち」という工程。トラクターでは耕すことの出来ない田んぼの縁(方言でふちの事を「くろ」といいます。)を鍬を使って掘り起こす作業。体力と忍耐力の要る地道な作業です。

決して「あと何メートル?あと何枚?」なんて事は考えてはいけない。無心に、労働に対する見返りや、人が僕の事をどう思っているかや、他の人が今どんなに幸せで楽しいかなんて事を決して思わず、ただ単に、こうして田んぼを耕せる事を「幸せ」と思いながら、この土が稲を育み、光と水の力を借りて、そしてそこに僕が少しの手伝いをして秋に実るであろう白い米が、人の笑顔につながることの幸せだけを思いながら、息を乱さないように、なるべく穏やかに鍬をふるう事。を心がけたのですが、昨日は田んぼ3枚でギブアップ。今日は体中が筋肉痛です。

全ての田んぼの「くろ打ち」を終えるのにあと2日かな?そのあと山水を引き入れて「しろかき」そして田植え・・・道のりは長い。

田舎での作業は体はきついけれど、なんとも言えない爽快感があるんだな。そら、森、トンビ、川の音、土のにおい、ペットボトルに入れた水の旨さ・・・週末が待ち遠しい。

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