海の話

方財の海と松林をイメージした色使いで決定したロゴマーク。3.11以降、海に対する日本人のイメージが多少変わったことも確かだろうけど・・・本来、海は命のゆりかご。

高校生の夏休み、青春の悩みに、課外授業をサボって一人バスで方財の浜に行った。松林に座って一日中海と、対岸の高校の方をみて過ごした。

午後、まるでウミガメみたいな、真っ黒に日焼けしたじいさんが椅子を持って来て僕の隣に座って、何も聞かずに、ただこう言った。

「太平洋は天然のクーラーじゃ」

度のキツいメガネの奥の瞳で真っすぐに海を見つめたまま、それっきり何も言わない。僕はたまらなく嬉しかった。僕も何も言わず、ただ二人でずーっと海を眺めていた。

将来の事だったか、友達の事だったか、恋の事だったか、或はその全てだったか、今ははっきり思い出せないけど、そんな悩みがバカバカしく思えて、心の中で「ありがとう、じいさん」とつぶやいてバス停に歩き出した事だけははっきり覚えている。

あの頃は松林から細い道路一本隔てて直接浜辺で海がずうっと近かった。今では様子が変わってしまったけれど、方財の浜も考えてみたら、いい思い出の場所なんだ。

デザインとは全く関係ない海の話。



“海の話” への1件のコメント

  1. ひまりママ より:

    「老人と海」みたい。
    小説の1ページみたいな経験ですね。